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「王家」の問題

NHK大河ドラマ「平清盛」で使われる「王家」という言葉が物議をかもしているようです。

私もこのドラマを見ていますが、この単語には違和感があります。以下私見を述べます。間違った解釈もあるかもしれません。その場合、ご指摘いただけるとありがたいです。

問題があると思われる点は以下の四つ。
(1)単語の定義
(2)黒田論文
(3)王と皇の使い分け
(4)王家は一般単語

(1)単語の定義
まず問題の第一はNHK自身がこの単語の定義付けをあいまいのまま使用していることです。
現段階で、天皇一族に関しては、
・白河法皇
・鳥羽上皇
・崇徳天皇
などが登場していますが、「王家」が何を示しているのかが曖昧です。
例:「王家の犬」
  ドラマでは「院」を指しており、天皇やその家族を指していない。
例:番宣等では「朝廷」を「王家」と置き換えている
  この時代では特に院と朝廷は違うモノ(というか敵対している)で、矛盾する。
さらに一方で、天皇一族全体を「王家」と言ってる場合もあります。

(2)黒田論文
今回の批判に対しNHKは、歴史学者の黒田俊雄氏の著書や寄稿で、中世の日本での天皇一族について「王家」という単語を使っていることを理由のひとつとして取り上げています。

しかし、これは「公家」「寺家」「武家」などと比較するための院政期の特定学術用語で、黒田氏以外に学会でコンセンサスが取られている用語とは到底思われません。
#一時フォロワーが出てきたが、鎮火した。
また、中世の史料には皇室、朝家、君朝、などの表記はありますが、王家はありません。

付け加えると、黒田氏自身、昭和天皇の戦争責任論を主張してたり、天皇(制)批判してたりしてます。こう言う方の主張・単語を採用し理由付けとするのはNHKとしては不適当ではないでしょうか?

(3)王と皇の使い分け
中世より「皇」と「王」の文字の使い分けがされています。
例えば清盛の時代では有名な人物として「以仁王」の例があります。また現代でも「文仁親王」「真子内親王」などで使われていて、「天皇」「皇后」「皇太子」など皇の字を当てる場合との区別が明確にされています。「王家」と言ってしまうと、皇の文字を使う人物をどう取り扱うかが問題になります。

(4)王家は一般単語である
ただ、中世の天皇一族をズバリ言い表す単語があるかというと、なかなかしっくり来るものがないのも事実です。そこで造語するのも致し方ない部分ではあります。しかし、「王家」は一般単語で、外国の王族に対しても普通に使われています。
#私なんかは真っ先に「王家の紋章」が思い浮かびました。

また、天皇は他国の諸王とは格が違うのに、王家としてしまうと一段格下に落とすことになるのでは?という懸念が浮かびます。特に最近のNHKは反日親朝鮮寄りの言動が度々見られるため、李王朝との関係から、このような単語をごり押ししてるのではないか?と疑いを掛けられています(韓国朝鮮では天皇の事を「日王」と呼んでますね)。

以上よりNHKは本ドラマで王家を使うべきではないし、使うならもう少し理路整然とした理由付けをし、定義を明確にするべきでしょう。

追記:「皇家(おうけorこうけ)」「院宮家」などはどうでしょう?

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